横浜市で築57年になる住宅の改修工事が完成しました。
こちらの建物は昭和43年築で、当時弊社で施工したRC+木造の住宅です。
このくらい年月が経つと内外装各所に傷みが生じており、リニューアルにあたっては今後のメンテナンスも十分踏まえる必要があります。
また、「しっかり断熱する」という考え方がなかった時代の建物。
間取りは大きく変えていませんが、断熱性能を向上させて住みやすく改修する事も求められました。
【Before】→【After】
→
外観の特徴は、深い軒の出にあります。
ヨーロッパの建築は壁の建築であるのに対し、日本の建築は屋根の建築と言われます。
日本の気候風土の中では屋根が重要な要素であり、それが機能美として生きてきました。
大きな屋根と深い軒は陰影を生み出し、どっしりと構えて風雨から守ってくれる様に感じます。
欧米ではメンテナンスが習慣化し、中古住宅をリフォームして資産価値を保ち大切に使うという考え方が一般的です。
それに対し日本では築年数が経過するほど建物の資産価値が減少するという傾向にあります。
防火や耐震技術が進歩した現在、そうした考え方も変化して良いのではないでしょうか。
日本の古い住まいでは、そこに込められた職人の手仕事が見え隠れします。
華やかなものでなくとも、そうした名も無き職人の仕事を少しでも残して行けたら良いなと思っています。
そしてそこに安全や快適などの新しい技術を被せてゆく。
そうした作業が、これからの真に価値ある創造である事を確信しています。