漆黒の屋根と漆喰の白壁

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梅雨の真っ最中、今年も雨の降り方が普通では有りません。
紫陽花にはシトシト雨が似合っていますがザーザー降りの豪雨や
ましてや大粒のヒョウが降るなんて!この先どうなってしまうのでしょうか。

天然スレート葺きの屋根が大好きな私です。
雨に濡れた玄晶石の漆黒の屋根の光沢は重厚で品格があって特に好きです。
何度も書きますが東京駅丸の内駅舎にも使われている雄勝産の硬質粘板岩。
「硯」の材料でもあるので硬く切り口もスパッと綺麗です。

通勤途中に屋根も壁も天然スレート葺きの家が最近完成しました。
カステラの箱の様な大きな家で大判のスレートを使用しています。
雄勝産の玄晶石はもう文化財の補修用に少し有るだと以前聞いてますし、
更に3.11東日本大震災では甚大な被害を受けた雄勝です。
この家の石はフランス産かスペイン産だと思います。

雄勝産と外国産の違いはハッキリと区別がつきます!硬さに欠けるので、
石の表面や切り口がスパッとはいかずザラザラしてしまうのです。
家の表情がカチッと締まって無い感じがするのは切り口の違いでしょう。

それに比べて・・・と言っては何ですが・・・!

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川端龍子記念館は空から見るとタツノオトシゴの形をしていますが、
この家の形は何と表現したら良いのでしょうか。
二階部分はありますが延べ床面積93坪、ほぼ平屋の建物です。

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建物がこの様な形ですから大工さんの腕と経験が物を言います。
太い松梁の架け方も複雑でしたし、仕口の加工精度は流石でした。
写真は手斧で仕上げた松梁です。今では出来る人が少なくなりました。

針組

屋根の面積も半端なく大きく形状(勾配)も複雑になります。
雄勝産の天然スレートに一枚づつコツコツと穴を空け、黙々と施工して
いきます。雄勝から来られた職人さん達の作業姿が印象的でした。

お施主様との会話の中で「玄晶石の屋根は雨の日に見ると漆喰の白壁と
真っ黒い屋根のコントラストが素晴らしく美しい」と言われたので、
(軒の深さが1200有りますので白壁の汚れ方も少ない・・・)
以前ブログで東京駅丸の内駅舎が完成したら赤レンガの外壁と
漆黒の屋根とのコントラスト、玄晶石が映える雨の日に見に行きたい!
と書いたことを話しました。

大きい家ですが景観を壊す様な色や形・材料などは使用していません。
この地域の景観に馴染み逆に景観を引き締めている家だと思います。
担当した者として誇りに思う建物です。

又、雨音についても話が弾みました。この家の雨音も良いよ・・・って!
横浜山手モデルで体験しているので良くわかります・・・と答えました。
お施主様は更にブラームスのヴァイオリンソナタ第一楽章「雨の歌」と
言うのがあるから聴いてみたら・・・とも。聴いてみましたが⁇?てな感じ。

大聖堂

この家に泊まったドイツ人がこの家の屋根材とマクデブルグ大聖堂
(築800年)の屋根材が同じ石だと言って帰って行ったと聞きました。
旧東ドイツの都市マクデブルクとは、昔理科で鉄の半球と半球を合わせ
中を真空にし両側からそれぞれ馬で引っ張って真空実験をした都市です。

次回は短くします。 三枝

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