屋久杉の杢

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令和6年能登半島地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます

弊社の女性設計者の帰省先は上越市!
揺れが凄かったので家具が倒れたと言っておりました。
それから津波情報で避難してきた人達が自宅近くまで登って来たとも言ってました。
津波が襲った海岸べりの写真には、道路が識別できないほどの漂着物や破壊された海の家などが写っていました。

被害地域には南砺市もありましたので、〇〇大使公邸でお世話になった宮大工の佐々木寺社建築(株)に連絡しましたら「自宅や会社は少し物が壊れた程度の被害で済んだが、地震の翌日から倒壊寸前の建物で救えるものは一棟でも壊れないように!と緊急処置に対応しています。
個人にできることには限度がありますが、被災された方々の不安が少しでも軽くなればと念じております」と返信がございました。
頭が下がる思いです!

さて、11月に屋久杉の無垢板2枚が我が家にやってきました。
土埋木の搬出も禁止。屋久杉を山から搬出する事は一切なくなり2019年の3月の競りを最後に屋久杉は市場に出回らなくなったそんな貴重な無垢板を「要りませんか」と声をかけてくれた同僚のS氏には感謝の気持でいっぱいです。
屋久杉と呼べるのは標高500m以上で自生する樹齢1,000年以上のものを指し、樹齢1,000年未満のものは「小杉」と呼ばれるそうです。この板には認定番号付きのシールが貼られています。


杉も屋久杉も同じ「杉」なのだそうですが、どのような環境で育つかによって樹齢や杢目が変わってくると書いてありました。
人間と同じですね❗️
栄養分が雨水で殆ど流れてしまうという過酷な環境下で育つ為、俗に「一寸百年」と言われるほど年輪が詰まっている箇所や、緻密で美しい杢目が板全体に表れていて見ていると吸い込まれる美しさです。
一年で0.5mm成長したとして100年で5cmの太さ。
0.25mmだと100年で2.5c m! 気が遠くなります。
約1,300年前だと古事記.日本書記.万葉集の時代。
約2,000年前であれば弥生時代です。
 
その間には気候の変動や大きな地震などにも遭っていた筈。
どんなに厳しい年であっても確実に年輪を刻んでいた事に驚愕です。
果たしてこの土埋木の樹齢は何年ぐらいなんだろうと、この板を杢目を眺める度に思ってしまいます。
「悠久の時を生きた偉大なるオーラを感じますか?」と同僚!
美しいものへの感動!心を捉えて止みません。
 
この板には年輪を浮き立たせる「浮造り」という手間のかかる加工が両面に施してありますので手触りがいいのです。
それと屋久杉には樹脂が普通の杉の6倍以上含まれているので、特に朝は甘い香りが微かですが感じます。
「畏敬の念を抱く」この言葉が自然と浮かび正月にはしめ縄を飾ってしまいました。

目黒区柿の木坂の現場がもうすぐ始まります。
楽しみです。

三枝

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