興福寺の瓦と散華(さんげ)

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世界遺産の興福寺中金堂落慶法要が営まれました。
710年に創建されてから7回焼失した中金堂。耐震や
建築基準法もクリアーして約300年ぶりの再建です。

工事中に行った時、次は回廊を復元する計画との事で
勧進所にて軒丸瓦より書きやすい軒平瓦に住所と氏名
を筆で書き勧進してまいりました。
軒平瓦の文様は発掘された創建当初の文様を復元して
いるそうです。

22年前、建主様のリビングに御朱印が押されている
大きな瓦がでんと飾られていました。
お聞きすると大修理中の興福寺南円堂の古瓦だと仰って
いました。それから数年後、南円堂の脇にある御茶屋の
前に見覚えのある古瓦が十数枚並べてあり、残りはもう
これだけだといいます。(古瓦の約65%は再利用)
欲しかった古瓦! 寄進を兼ねて2枚購入しました。

届いた箱を開けた途端、上品なお香の香り!
透ける和紙で丁寧に包まれた瓦には、御朱印が書かれて
いて感激!裏面には256年前の「宝暦十二年 壬午」と
「瓦工の名前と地名」が刻まれています。

勧進所には奇遇なことに南円堂を修理した当時の僧侶が
おられ、古瓦を購入した経緯や修理の話などで花が咲き、
勧進した記念にと5種類全ての散華を下さいました。
女性の作家さんが描いた特別な散華!
とても素敵で「額に入れて飾りたいな」と言いましたら
正しい配列を教えて下さいました。

再建された中金堂には直径80cm.長さ8m以上の柱が
36本使用されています。
柱一本を採る為には樹高が20mはないと無理との事。
世界中の巨樹巨木が違法伐採などもあり激減し、
輸出禁止の国も多くなっています。
柱の調達方法については世界遺産の興福寺ですから
賛否両論色々とあったようです。

赤道に近いカメルーン産でアフリカケヤキと呼ばれて
いるこの木はマメ科。日本のケヤキはニレ科。
木肌の色や艶も国産ケヤキとは異なる様ですが、
全部朱色(丹)に塗ってしまいますからね。
年輪が無いぶん割れが来にくいらしいです。

伊豆高原の現場は肝心な生コン打設時に大雨が降り、
基礎工事が遅れ大安.建築吉日の昨日棟上げしました。

三枝

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