歴史ある洋館のスケルトンリフォーム 《古民家改修事例⑦》

施工データ

所在地:
東京都大田区
構造・階数:
木造2階建て(築 90 年)
面積:
197.14㎡

【事例写真】

こだわりポイント

その昔「大田区の洋館100選」にも選ばれた、築90年になる歴史ある住宅です。スペイン風の外観、アイアンがあしらわれた格子やドアなど、豊かに年を重ねた魅力に施主の強い愛着があり、先の代へ残したいとご依頼いただきました。ただし古い建物のため構造上の不安があり、暑さ寒さの改善も同時に望まれます。そこで骨組みまで解体しながら住まいの佇まいを再現するリノベーションを実践しました。解体してみると構造材やライフライン等見えない部分の劣化が多く見られ、それらをしっかり健全化する事が出来ました。
古い資料によるとこの住まいは元々単世帯型として建築されましたが、長い歴史の中で住まい方が変わり、内部が2世帯化された様です。そして今回、更に玄関をもう1つ増やして完全二世帯化を実現したのも特徴です。
1階は親世帯。ここには新築当時のままの暖炉や化粧柱・梁、建具などが構成する趣ある広間があり、印象強いメインの空間をそのまま再現しました。2階は子世帯。ここは若い人の個性を重視し、現代風のスマートな意匠を採り入れました。長く残す上で考えなければならない、住まい方の多様性を反映したかたちです。

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《古民家改修事例⑧》
施主様によると、築90年は経っているという民家です。 40年ほど前に2階を増築するなどの改修工事が行われているとの話も。 この改修工事では、最も古い1階部分を主体として計画する事としました。 続き間の和室(座敷)を洋風のリビングダイニングへ、収納やお手伝いさんの部屋だったと思われる連続した畳の小間は壁を取り払って台所に変更。 そしてそれらを一体的に繋げる事で、空間を広々且つすっきり使える様にしました。 なお旧座敷の床脇には円窓床をモチーフとした設えがあり、施主様よりその丸くくり貫いた意匠を残したいとの要望がありました。 そこで位置を少し移して再計画。リビングに設けたペレットストーブの脇にあるのがそれです。 円窓床とは異なりますが、今度はステンドグラスを嵌め込んだ明かり窓として引き継ぎました。 またこの住まいの創建は昭和初期にあたりますが、時代背景的に洋風の応接間を設けた住宅が割と流行りました。腰下は板張り、上部は天井まで漆喰で塗上げた応接間を多く目にします。そんな部屋がこの住まいにもあり、この趣深い擬洋風の空間はそのままの面影を残す様に、大工と左官職人に整えてもらいました。 このほか、内玄関的に造り替えた収納、裏動線的に再構成したユーティリティスペースなど、今後の生活をより機能的にする工夫も凝らしました。 縁側や廊下など、一部そのままにして手を付けていない部分もあります。 全てに手を入れようとすると大変な工事となりますので、そうしたメリハリを持って臨むことも大切です。 この住宅、もともと殆どの部屋が和室で座敷以外も天井高が2.8mと高いのが特徴でした。 各所に味のある障子やランマが設えてあり、そうした和の部材はほぼ再利用しながら、アンティークな雰囲気漂うデザインに出来たと思います。

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