受け継ぐ再生リフォーム 《古民家改修事例③》

施工データ

所在地:
東京都大田区
構造・階数:
木造平屋 + 小屋裏(築 140 年)
面積:
145.52㎡

【事例写真】

【ビフォアフター】

こだわりポイント

日本の家にとって重要な床下を重点的に調査。劣化を改善し、旧家に不足 する快適性を予算を考慮しながら可能な範囲で補いました。 たまに外国人ホームステイの受け入れもされているとのことで、日本の文化 により親しんでいただける空間づくりを提案。造り込み過ぎず、シンプルな 元来の姿・構造美がそのまま活きる様配慮しています。 付近は文士村など大田区の歴史に触れられるスポットが多く、拠点として今 後より幅広い用途に活用していただける様、応接間も状況によって土足対 応可能な仕上げとしました。

改修前、床下チェックを行うと白蟻による被害がいくらか見られました。長い間に行ってきた小さな改修のうちいくつかが床下の通気を損ねてしまい、生じたものと考えられました。
この改修では、せっかくの機会なので健全と思われる大きな部材以外、床組みは全面的にやり直すこととしました。

長い年月を経た住まいは多かれ少なかれ傾きが生じています。
床組みを更新する際、基準となる部材のレベルを調整し歪みを修整します。

2階に新設した寝室は、敢えて大壁造りを採用し、漆喰壁を箒で引いて化粧を施しました。

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《古民家改修事例⑧》
施主様によると、築90年は経っているという民家です。 40年ほど前に2階を増築するなどの改修工事が行われているとの話も。 この改修工事では、最も古い1階部分を主体として計画する事としました。 続き間の和室(座敷)を洋風のリビングダイニングへ、収納やお手伝いさんの部屋だったと思われる連続した畳の小間は壁を取り払って台所に変更。 そしてそれらを一体的に繋げる事で、空間を広々且つすっきり使える様にしました。 なお旧座敷の床脇には円窓床をモチーフとした設えがあり、施主様よりその丸くくり貫いた意匠を残したいとの要望がありました。 そこで位置を少し移して再計画。リビングに設けたペレットストーブの脇にあるのがそれです。 円窓床とは異なりますが、今度はステンドグラスを嵌め込んだ明かり窓として引き継ぎました。 またこの住まいの創建は昭和初期にあたりますが、時代背景的に洋風の応接間を設けた住宅が割と流行りました。腰下は板張り、上部は天井まで漆喰で塗上げた応接間を多く目にします。そんな部屋がこの住まいにもあり、この趣深い擬洋風の空間はそのままの面影を残す様に、大工と左官職人に整えてもらいました。 このほか、内玄関的に造り替えた収納、裏動線的に再構成したユーティリティスペースなど、今後の生活をより機能的にする工夫も凝らしました。 縁側や廊下など、一部そのままにして手を付けていない部分もあります。 全てに手を入れようとすると大変な工事となりますので、そうしたメリハリを持って臨むことも大切です。 この住宅、もともと殆どの部屋が和室で座敷以外も天井高が2.8mと高いのが特徴でした。 各所に味のある障子やランマが設えてあり、そうした和の部材はほぼ再利用しながら、アンティークな雰囲気漂うデザインに出来たと思います。

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