若い世代が引き継ぐリフォーム 《古民家改修事例⑨》

施工データ

所在地:
東京都大田区
構造・階数:
木造平屋+2階(築 85 年)
面積:
111.27㎡(改修部分)

【事例写真】

こだわりポイント

創建からおよそ85年が経過した古民家です。もともと祖父母様がお建てになり、それを孫にあたる若いご家族が引き継ぐための改修を行いました。
創建当時の建物に関する情報は既に無く、建物は大きな増改築によって古い平屋に新しい2階屋が連結されたかたちとなっていました。
ここでは主に古い平屋部分を、その味を活かしてモダンに仕立てる事をメインとしました。
そこへ、増築部に設けられた寝室や水廻りの改修を一部加えています。
また、コストを抑えつついかに新しい世代の愛着と住み易さを獲得するか、という点も重視して計画しました。
平屋部分は、以前行った改修によって既にもともとの風情が見られなくなっていました。そこで間仕切を取り払うだけでなく、新たな一体感を生み出す工夫も加えながら新しい空間に仕立てました。更に化粧シートによって既存のキッチンをイメージチェンジさせたり、奥様が主体となりチョイスした壁紙などの特徴があります。
亡き祖父母様が大事に使われていたとても立派な家具と、このリフォームを期に導入されたピアノ。こういった家具類とのバランスも考慮しながら、若い2人と共に楽しくイメージして行くリフォームとなりました。
実は工事中、床下に眠っていた欅材が良い状態で発見され、折角なのでそれを再利用するという大きな出来事もありました。これは寝室の中に象徴的に活かしています。

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《古民家改修事例⑧》
施主様によると、築90年は経っているという民家です。 40年ほど前に2階を増築するなどの改修工事が行われているとの話も。 この改修工事では、最も古い1階部分を主体として計画する事としました。 続き間の和室(座敷)を洋風のリビングダイニングへ、収納やお手伝いさんの部屋だったと思われる連続した畳の小間は壁を取り払って台所に変更。 そしてそれらを一体的に繋げる事で、空間を広々且つすっきり使える様にしました。 なお旧座敷の床脇には円窓床をモチーフとした設えがあり、施主様よりその丸くくり貫いた意匠を残したいとの要望がありました。 そこで位置を少し移して再計画。リビングに設けたペレットストーブの脇にあるのがそれです。 円窓床とは異なりますが、今度はステンドグラスを嵌め込んだ明かり窓として引き継ぎました。 またこの住まいの創建は昭和初期にあたりますが、時代背景的に洋風の応接間を設けた住宅が割と流行りました。腰下は板張り、上部は天井まで漆喰で塗上げた応接間を多く目にします。そんな部屋がこの住まいにもあり、この趣深い擬洋風の空間はそのままの面影を残す様に、大工と左官職人に整えてもらいました。 このほか、内玄関的に造り替えた収納、裏動線的に再構成したユーティリティスペースなど、今後の生活をより機能的にする工夫も凝らしました。 縁側や廊下など、一部そのままにして手を付けていない部分もあります。 全てに手を入れようとすると大変な工事となりますので、そうしたメリハリを持って臨むことも大切です。 この住宅、もともと殆どの部屋が和室で座敷以外も天井高が2.8mと高いのが特徴でした。 各所に味のある障子やランマが設えてあり、そうした和の部材はほぼ再利用しながら、アンティークな雰囲気漂うデザインに出来たと思います。

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