『 復元 』という技術 《古民家改修事例⑤》

施工データ

所在地:
千葉県市川市
構造・階数:
木造平屋(築 80 年)
面積:
59.46 m²(17.95 坪)

【事例写真】

【ビフォアフター】

こだわりポイント

移築先では既に新しい住宅が建築中。そこにバランス良く繋げる為、方位 はもとより出入口や庭との関係など、配置計画に思案を重ねました。 ほぼ原型のままの移築ではありますが、断熱化や木製サッシの採用など、 意匠性と共に快適性・機能性の向上も考慮しています。 ただ何と言っても職人達の経験や技術力に尽きる仕事でした。元の建物を、 解体と言うよりむしろ “ほぐす” という仕事。そして組外された時に起こる木 材の変形を見越し、調整しながらの復元。いつもの職人達が頼もしく見え ました。

そのままを再現するため、大工の手により建物をほぐす様に部材を丁寧に外して行きます。解体した材は整理して適宜洗いをかけて保管。

コンクリートの基礎を造って土台は新しくしましたが、柱・梁は旧部材をそのまま組み直しています。

屋根は新しい銅板で葺き直しました。

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《古民家改修事例⑧》
施主様によると、築90年は経っているという民家です。 40年ほど前に2階を増築するなどの改修工事が行われているとの話も。 この改修工事では、最も古い1階部分を主体として計画する事としました。 続き間の和室(座敷)を洋風のリビングダイニングへ、収納やお手伝いさんの部屋だったと思われる連続した畳の小間は壁を取り払って台所に変更。 そしてそれらを一体的に繋げる事で、空間を広々且つすっきり使える様にしました。 なお旧座敷の床脇には円窓床をモチーフとした設えがあり、施主様よりその丸くくり貫いた意匠を残したいとの要望がありました。 そこで位置を少し移して再計画。リビングに設けたペレットストーブの脇にあるのがそれです。 円窓床とは異なりますが、今度はステンドグラスを嵌め込んだ明かり窓として引き継ぎました。 またこの住まいの創建は昭和初期にあたりますが、時代背景的に洋風の応接間を設けた住宅が割と流行りました。腰下は板張り、上部は天井まで漆喰で塗上げた応接間を多く目にします。そんな部屋がこの住まいにもあり、この趣深い擬洋風の空間はそのままの面影を残す様に、大工と左官職人に整えてもらいました。 このほか、内玄関的に造り替えた収納、裏動線的に再構成したユーティリティスペースなど、今後の生活をより機能的にする工夫も凝らしました。 縁側や廊下など、一部そのままにして手を付けていない部分もあります。 全てに手を入れようとすると大変な工事となりますので、そうしたメリハリを持って臨むことも大切です。 この住宅、もともと殆どの部屋が和室で座敷以外も天井高が2.8mと高いのが特徴でした。 各所に味のある障子やランマが設えてあり、そうした和の部材はほぼ再利用しながら、アンティークな雰囲気漂うデザインに出来たと思います。

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